総務省:航空安全に関する行政評価・監視結果に基づく勧告

 総務省は平成15年12月16日、国土交通省に対し、「航空機の安全な運航を確保するための施策(セーフティ施策)およびハイジャック防止等に係る航空保安対策(セキュリティ施策)の実施状況を調査し、
(1)航空安全に係る施設の保守管理の徹底、
(2)航空管制官の健康管理の充実、
(3)空港緊急計画の策定とその実効性の検証等(以上セーフティ施策)、
(4)ハイジャック対応訓練の実施、
(5)施設設備の管理と警備等(以上セキュリティ施策)について勧告」した。(政府公報オンライン・総務省12月17日更新分
 この総務省勧告の本文の、「1 航空機の安全な運航を確保するための施策」→「(1) 航空事故を防止するための施策」の中ほど過ぎに、「ウ 航空管制官の訓練等及び健康管理の充実」がある。その項によると、航空管制官の健康管理は、「業務開始前の業務打ち合わせ時に各班のリーダーの役割を担う航空管制官がそれぞれの航空管制官の顔色等をみて健康状態を確認する程度」だそうで、また国土交通省では航空管制官の「心身の不調や疲労」による「注意力・集中力の低下を防止するための指針等は定めていない」らしい。結論としてこの項の最後では、「2) 航空管制官疲労等による注意力・集中力の低下を防止するため、航空管制官の健康管理の方法等に関する指針を定める」必要があると勧告している。
 また同じ項にも紹介されているが、国土交通省では平成15年から安全報告制度が新しくなり、航空管制の知識、経験及び情報処理技術を有する第三者機関が航空管制官からの安全報告を直接受理し、必要に応じヒューマンファクターの専門家等を加えた検討会等により報告事例の多角的な分析を行い、航空管制官及び関係機関に対し、報告事例及びその分析結果を効果的にフィードバックするなどの新たな仕組みとなったそう。これは財団法人航空交通管制協会機関誌「航空管制」平成15年11月号に特集(p.5p.8-13)されている。