研究は稼げるのか

 うちの研究所は次年度から国からの補助金が無くなり、いよいよ独自採算で運営していくことになる。まぁ、補助金を貰うだけでむしろ後ろめたさを感じるこのご時世の流れには乗っている。でも政府からの補助金とか、親会社からの資金とか、集めた学生からの授業料とかを得ずに、学術研究を生業としている研究組織を私は知らない。とにかく、稼がなくてはならないとよく聞かされる。霞を食っていくわけにはいかないじゃないかとは所長の弁。最盛期100人程度居たという研究所の、現在の規模も給料も既に中小企業並みである。
 実は、今まで退職金原資がまったく積み立てられていなかった。そこで次年度から中退共に加入するかもしれないという。これは一応、法律に基づいた制度だそうで、厚労省労働政策審議会の下に勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会というのがある。
 話は違うが、米国には「ベスト・アメリカン・サイエンス・ライティング」という優れた科学読み物を集めた本が毎年出版されているとのこと。この本を取り上げたページは、米国らしい雑多な「科学」を垣間見ることができてとても楽しい。
 また田中宇氏によると、米国のボーイング社は採算性よりも「ものつくり」を優先する伝統があったが、近年はその経営方針が変わり、凋落してしまったらしい
 とりとめがなくて申し訳ない。